第二話『プリティ・ウーマン』

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「本当に麗華さんは演技をしていたんですか?」 「実際に表情や仕草まで見たわけじゃありませんから、絶対の自信はありません。でも、気になる会話も多かったですね」 「…………どの会話ですか?」 「例えば、分け前の話とか。そこで麗華さんは五百万円、三百万円の金額を言葉にしていました」 「はい。覚えています」 僕はその時の麗華さんと三木さんの会話を思い出す。 「その金額で僕は…………あ…………」 「そうです。その金額を麗華さんが言ったから、悠人さんと姉は麗華さんが詐欺をやっていると確信したんです」 「僕たちに聞かせるためにわざと言ったってことですか?」 「だと、思います。それに三木さんの名前を出したことも」
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