第二話『プリティ・ウーマン』

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一週間後、僕はエントランスホールで届いたパンフレットのチェックをしていた。 新作の映画と違って、昔の作品はパンフレットがない場合も多いけど、販売元に在庫があるものはこうやって販売することができる。 パンフレットの売上げも小さな映画館では重要だ。 ガラスケースの中にパンフレットを並べていると、千映さんが事務室から出てきた。 「悠人さん。さっき、姉から電話がありました」 「美亜さんから?」 「はい。原田さんから連絡があったみたいで。原田さんは麗華さんに何度も会いに行っているそうです」 「何度もってことは…………」 「ハッピーエンドの可能性も出てきましたね」 「そっか…………」
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