第一話『ショーシャンクの空に』
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財布の中に残った金を数えて、僕はため息をついた。 このお金じゃ、食事をするのが精一杯で、ネットカフェに泊まることはできない。 「月曜日まで野宿ってことか。真夏なら問題ないけど、四月の野宿はきついよな」 一瞬、寮に戻ろうかと思ったけれど、その考えをすぐに打ち消した。 僕にだって意地がある。 今更、会社に頼ることなんてできない。 パーカーのフードを深くかぶって、僕は商店街の中を歩き出した。
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