第一話『ショーシャンクの空に』

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「ありがとうございます。高校生に見られるのは、ちょっと嬉しいかも」 「あ…………まただ。また、あなた、僕が思っていることを…………」 「瀬川さんの表情でわかりますよ。それに、自慢じゃないですけど、若いってよく言われるんです。セーラー服がまだ似合うって」 「じゃあ、千光寺公園で宗教の勧誘かもって、僕が思ったことを当てたのは?」 「あれも、瀬川さんの表情です。あの時、瀬川さんの眉間にしわがすごく寄っていたんですよ。あ、これは警戒されているかなって。もし、そうなら、宗教の勧誘って思われる可能性が高いと思って」 「そういうことか…………」 たしかに僕は、あの時、眉間にしわを寄せていたかもしれない。 それでも、ここまで、人の心を読めるなんてすごいな。
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