第一話『ショーシャンクの空に』

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僕の声が大きくなった。 「『ショーシャンクの空に』って映画に興味があるんだよ。主人公が冤罪で刑務所に送られたみたいだから」 「ん? もしかして、刑務所に入っていたの?」 「いや…………。でも、今度、冤罪で入るかもしれないけどね」 「なんだ。あなたがサイコパスかシリアルキラーかと期待したのに…………」 「サイコパス?」 僕の質問に、亜里沙さんは肩をすくめた。 「知らないの? サイコパスは反社会的人格で『悪の教典』に登場する先生みたいな人。シリアルキラーは殺人に快楽を感じる人かな。『セブン』の犯人みたいな」 「君も映画に詳しいみたいだね」 「私は千映さんみたいに何でも観るわけじゃなくて、ホラー映画メインだけどね」 「ホラー映画か…………」 「何? ホラー映画が嫌いなの?」 「い、いや。嫌いとか好きとかじゃなくて、僕は映画自体をほとんど観たことがないんだよ。レンタルビデオ店でも映画を借りたことがないし」 「なら、私がオススメの映画を教えてあげる」
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