第一話『ショーシャンクの空に』

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僕は映画を観るにしても、わざわざ映画館に行く必要はないと思っていた。 レンタルビデオ店で借りれば、安く映画を観ることができるんだから。 でも、『ショーシャンクの空に』を観て、ここまで感動できたのは、きっと、映画館で観たことも深く関係しているだろう。 「千映さん。ありがとうございます」 「ありがとう?」 「あなたに出会っていなければ、僕はこの映画を一生観ることはなかったと思います。そして、希望のない人生を歩んでいたかもしれない」 「希望は何にも替え難い。希望は永遠の命です」 「その言葉の意味も理解できました」 僕の口元が緩む。 「僕はアンディーのように強くもないけど、自分なりに頑張ってみようと思います。とりあえず、職探しを」
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