第一話『ショーシャンクの空に』

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「…………なるほど」 千映さんは胸元で腕を組んで、何度も頷いた。 「やっぱり、犯人は梶原さんたちですね。ミステリー映画でも、犯人が複数はたまにあるパターンです。例えば、有名なミステリー作家の作品を映画化したオリ…………」 「いや、映画の話は後にしてもらって、梶原君たちが犯人だと思った理由を早く教えて下さい」 「あ、そうですね。えーと…………まず、梶原さんたちって、悠人さんを全く疑っていませんでしたよね。デジカメ担当の悠人さんは一番の容疑者なのに」 「それは、疑っていても顔に出さなかっただけじゃ…………。目の前の相手を疑っていても、犯人扱いはできないと思うけど」 「いえ。梶原さんたちの表情やセリフから、それはないと感じました。演技が上手い人なら、私も騙されちゃいますけど、あの人たちは演技が下手だから」
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