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夢中になって在庫チェックの方法を説明していると、千映さんの目が細くなった。
「悠人さんは電器屋さんの仕事が好きだったんですね」
「…………どうかな。真面目にやってきたとは思っているけど、千映さんのような情熱はなかったかもしれない」
「私ですか?」
「はい。千映さんは映画が好きで、その映画に関わる仕事をしている。それが僕は羨ましいです」
「悠人さんには好きなことってないんですか?」
「好きなこと…………か」
視線をエントランスホールの天井に向けて、僕は眉間にしわを寄せる。
「そう言えるものはないかもしれないな。運動神経は悪くないんですけど、スポーツはやらなかったし、読書やゲームにも興味は持てなかった」
「それなら、これから好きなことを見つけてみたらどうですか?」
「これから…………ですか?」
「ええ。悠人さんは若いし、好きなことがきっと見つかりますよ。ちなみに私のオススメは…………」
「映画ですね」
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