第一話『ショーシャンクの空に』

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千映さんが口をもごもごと動かした。 「とにかく、また、気になる映画があったら、ぜひ観にきて下さい」 「はい。映画が趣味って言えるほど好きになるのか、まだわからないけど、また、『ショーシャンクの空に』のような名作を観たいと思っていますから」 「それなら安心して下さい。当映画館では、私が厳選した名作しか上映する気はありませんから」 千映さんは自慢げに胸を張った。 その姿は、好きなこともなく、ただ、生きていた僕にはすごく眩しかった。 その後、僕は千映さんと十分程話をして、映画館を出た。
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