第一話『ショーシャンクの空に』

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「…………藤崎店長」 自分の声とは思えない暗い声が口から漏れた。 「うちの会社って、今年から新入社員の数を大幅に減らしましたよね。その分、パートの数を増やすとか。正社員の希望退職者も募集しているみたいだし」 「突然、何を言い出すんだ? まさか、君を退職させる為に、私がデジカメを盗んだと言いたいのか?」 「そんなことは思っていませんよ。でも、藤崎店長は僕を辞めさせたいと思っている」 「…………仮に私がそう思っているのなら、君が使えない社員だってことだよ」 肩をすくめて、藤崎店長は言葉を続ける。 「君は真面目で勤務態度は悪くない。商品知識も豊富だ。だが、多くの顧客を持っているわけでもなく、売上げ成績も普通だ。それなら、バイトでも君の仕事はやれる。そうは思わないか? 高い給料を払う意味などないと」 「そう…………ですか」 何かが自分の体から抜けたような気がした。 スマイル電器に入社して一年、自分なりに必死に仕事をしてきた。 福岡の飯塚店から、現在の尾道店に突然転勤を言い渡された時も、唯々諾々唯々と従った。 その評価がこれか…………。
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