episode182  不法侵入

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「僕を探してんだ」 もやもやしっぱなしだった。 最近の鬱憤を晴らせた気がして ついつい笑みが零れる。 「待って、そのまま!」 「え?」 うっとりとした眼差しで 凪は立ち上がろうとする僕を引き留めた。 「ほら、花の冠」 頭上に目をやると 奇しくも僕の髪を彩る形に絡んだ 小さな白い蔓薔薇を指先で愛でる。 「動かないで。綺麗だよ。本物のフランス人形みたいだ」 こんなにロマンティックに 動くなと言われたら。 今度は当然 キスも拒めない――。
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