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「ウソウソ」
甘い声。
「君が欲しいなら上げるよ」
椎名涼介に朝露のようだと言わしめた
純粋な瞳に――。
「本当?」
「うん」
初めて
見たことのない暗い影が落ちる。
「これ、悪いものじゃないんだ。全然。なのにみんなよく知りもしないで僕から取り上げてさ。全部トイレに流したって言うんだ。ひどいだろ?」
薬の入った袋を手渡されると
言い訳しながらも。
僕はその場で齧るようにして
3錠丸々飲み下した。
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