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「甘やかすなと言ってるだろう?」
王様はもちろん否定的だった。
「何のために罰を与えたか分からなくなる」
廊下で出くわした二人の会話に
聞き耳を立てる。
「いいじゃないか。一日中家にこもってるんだ。可哀想だろ?」
「何が可哀想なもんか。給仕つきで至れり尽くせりじゃないか」
「あのね、もとはと言えば君が――」
「それを言うならあんたがついていながらどうして――」
それ以上踏み込めば
互いに地雷を踏みに行くようなもの。
2人は言葉を濁したまま
互いに――はたまた僕とも。
これまた退屈な距離をおいて暮らしていた。
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