episode182  不法侵入

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「甘やかすなと言ってるだろう?」 王様はもちろん否定的だった。 「何のために罰を与えたか分からなくなる」 廊下で出くわした二人の会話に 聞き耳を立てる。 「いいじゃないか。一日中家にこもってるんだ。可哀想だろ?」 「何が可哀想なもんか。給仕つきで至れり尽くせりじゃないか」 「あのね、もとはと言えば君が――」 「それを言うならあんたがついていながらどうして――」 それ以上踏み込めば 互いに地雷を踏みに行くようなもの。 2人は言葉を濁したまま 互いに――はたまた僕とも。 これまた退屈な距離をおいて暮らしていた。
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