第1章

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また出会いと別れの季節がやってくる。あいつが私のそばを離れてから、いったいどれくらい経ったのだろう。  「うまくいったら必ずお前を迎えに来るから。」  ドラマでよく聞くセリフと共に別れを告げられ、健気に待ち続ける私もどうかとは思うが、それよりもあの日から一度も連絡してこないとはどういうことなのだろうか。向こうに行ってしまってすぐに新しい恋人でもできてしまったのだろうか。それともあのセリフはただのドラマの受け売りで、心にも思っていなかったことなのだろうか。  そんな風に悪い考えが私の中をぐるぐるとしている。両親から結婚はまだかという言葉が増えてきてはいるが、私は彼がまた私のもとへ戻ってくると信じている。それに、  「ずっと待ってるから。」  と、私はあの日彼に力ずよく告げたから。
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