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あの頃はたぶんしんどかったなぁ、と苦笑する。
ひとりが好きだ。
人の目を気にしなくていい。
人に合わせなくていい。
好きにできる。
悪意を感じることも、痛みを感じることもない。
迷惑をかけることもない。
例えば突然歌ったって誰にぎょっとされることもない。
誰に本心を探られることもない。
信じなくていい。
ひとりが気楽で、ひとりが好きだ。
それがあんまり良くないのかもしれない。
ひとりで平気だから、躍起になってひとと仲良くなろうとしない。
ずっとひとりでいたら、人との関わり方がすっかり分からなくなってしまった。
事務的なことは平気だ。心を開かなくていいから。
友達のふりをするのは苦手だ。人を騙すのは特に心苦しくないけど、近くに信頼してない人間を置くのは疲れる。クズだな。
いつだったか浮かないように友達みたいなの作ってみようとか考えて適当に声かけてみたことがあった。そんなろくでなしな発想に至ったこともそうだが、あんまり自然に嘘つけるもんだから若干自分に引いた。
数人そこそこ騙されて友達みたいなのになってくれた。激しく疲れたけどちょっと楽しかった。
みんな紛争に轢き殺された。ちょっと荒れた。
神様みたいなのが諦めてぼっちでいなさいって言ってるんだと思った。無神論者だけど。
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