Sternenklare Nacht

ひとりごと

　どうしてこう、無駄なことばかり考えるんだろうか。
　もっと楽しくひとりを満喫したいものだ。ひとり。そうそう、ひとりの話だったね。あれ、そうだっけ。何の話だったかなぁ。

　なんで耳塞いでるんっけ。
　まあいいか。どうでも。

　今は気楽だ。
　ひとりだけど、気が楽だ。
　一般兵でぐずぐずどろどろしていた時と比べたら、嘘みたいに居心地がいい。
　のんびりとひとりを満喫できる穏やかな空気のこの国は、たぶん自分にとってはいい国なんだろう。

　書類を抱えて城を歩きながら行き交う人に会釈をしたり、たまに世間話に捕まったりする。散歩して社交辞令のやり取りとかする。

　そんなクズでもそれなりに鼻歌なんかを歌いながらこうして書類に向かえるんだから、やっぱりここはいい国だ。
　そういうことにしておこう。

　今日もつつがなく逃げ切って、机の上のペンを取った。