七夕にあめを

eins .

さっきの罪悪感から素直に答えましょう。

「……大学のときに２回だけ。」
小声だけどね。マスターに聞かれたら恥ずかしすぎる。

あれ、茶髪くせっけのイケメンならもっと経験豊富だと。もしかして大学エンジョイしてないって？なんかぶつぶつ言ってるし。こいつ、酔ってるわ。

「……千年がぁ！どこぞの知らぬ、女に汚された。俺は……千年のために取っておいたのに……まぁよくはないけど、処女は奪われてないだろう……スマホにウィルスを送ってやろうか……」

「あの、酔ってきましたか？そろそろ……」

茶髪くせっけのイケメンはハッとしたように
「そうですね。気が動転してました。水をもらえるか？あと、お勘定。」

「……少しふらつくからドアの外まで支えてくれないか？」

「わかりました。」
脇の下から手を入れて支える。もっとがっしりした体が欲しかった。