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アレンの視線の先にはビーニーキャップを目深に被り、顔の三分の二程を覆ったマスクをした人物が立っていた。
「シュリ! 遅いよー」アレンが第一声をあげる。
『この怪しげな人物がシュリ?』大きい熊の様な大男を想像していたF.O.Pは呆気に取られた。
確かに背は大きいが、身体の線は細くブカブカのジャージを着ているため男か女かもわからなかった。
「またその格好かよー。初めて会う人が居るんだから、少しは身綺麗にしてこいよ」アレンが呆れた口調で言ったが、シュリは無言でF.O.Pの隣へ腰掛けた。
無言と言うか無反応。
横に座られてわかったのだが、ジャージには所々穴が空きかなり年季の入った物の様だった。足元に視線を落とすとスニーカーにもしっかりと穴が空いていた。
よく店の中に入れたものだ。
F.O.Pはあまりの事に言葉も出なく、またまた呆気に取られた。
そんな様子を見てケラケラと屈託なく笑うシオン。
「クックッ…シュリさんらしーウケる。
あっ、シュリさんの隣に居るのがF.O.Pです。ヒョン、彼女がシュリさん」
『彼女? 女なのか??』
「シュリ、マスクを外せよ。初対面なのにあまりにも失礼だよ」アレンがマスクを外す仕草をして見せた。
「…あっ、そうか」シュリはそう言ってマスクを外した。
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