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マスクを外したシュリの顔にF.O.Pは一瞬、全ての動きが止まった。
呼吸も心臓の鼓動も、時間さえも全て止まった様な一瞬。
先程アレンに初めて会った時にも、その完成された美しさに衝撃を受けたが、シュリのそれは例えようのない神々しいものだった。
F.O.Pはその衝撃を悟られまいとして、わざとつっけんどんに右手を差し出した。
「よろしく」そう言って微笑むシュリの顔をF.O.Pは直視できなかった。目を見ている様な眉間を見ている様な…視線が泳ぎまくる。
動揺しつつも、右手はしっかりとシュリの右手を握っていた。細く長い指、短く清潔に切られた形の良い爪、女性らしい手だった。
これがギターを弾く手とは考えられない。
「…? シュリさんも韓国語大丈夫なんですね?」F.O.Pはシュリも韓国語を話すことに気が付いた。
「フフッ。私、耳がいいの」悪戯っぽくシュリは微笑んだ。
「シュリは5ヶ国語、話せるんだよ!凄いだろ??」シオンはまるで自分の事の様に興奮気味に前へ乗り出てきた。
子供が自分の好きな事や物を説明する時みたいに、シオンの眼はキラキラしている。
まるで宝物を見つけた子供みたいだ。
もしかしたら、シオンはシュリの事が好きなのではないだろうか?
シュリ…確かに不思議な魅力を持つ女性だ。
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