8で旅立つ異世界ライフ!

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俺はおっちゃん課長に訴える。 「聞いてください、課長。  俺、これから大魔王退治に旅立つというのに  会社の支給品がこれだけしかくれなくて……」 しぶしぶと俺は泣きながら 支給された薬草一つと500Gを課長に見せた。 ついでに、装備していた頼りない木の棒の武器と いかにも事務のおばちゃんが手作りしたであろう 皮の鎧の装備も課長に見せた。 課長のことだから、 きっと社長から素敵な支給品をもらっているに違いない。 俺はそう確信して課長に尋ねた。 「課長はどんな支給品をもらったんですか?」 おっちゃん課長はぽつりと真顔で答えてきた。 「そんなモンない」 「……え?」 「ベテラン・クラスになると支給品は常に現地調達だ。  俺は何ももらえなかった。  もらえるだけ有難く思え。お前の時代はまだ楽な方だ。  俺の新人時代は──」 課長が遠い目をして過去を語り出す。 俺は心がきゅっと締め付けられるように痛んだ。 (そうか……。  俺、まだマシな方だったんだ……。) 同時に俺はなんだか泣きたくなって空を見上げた。 とてもきれいな茜色の夕日が お空に輝いていた。 2020/07/19 10:20
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