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「随分遅かったわね。
すっかりしわくちゃになっちゃって」
「お前の分まで生きた証だよ」
「……そうね。娘も立派に育ててくれて、ありがとう」
にこやかに俺を迎えた、亡き妻。
逢えたということは、
俺も一生を終えたんだな。
「本当に待っててくれたのか」
「もちろん」
当然でしょ、と言わんばかりの答えに
俺の心は熱くなった。
「ねぇ、あなた。
これからはずっと一緒にいられるわね」
「……そうだな。
今まで一緒にいられなかった分、
ずっと傍にいるよ」
☆END☆
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