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199×年。
私はある国立病院で生まれた。
母は今でも、あの生まれた瞬間は私の運命を大きく変えてくれた、とよく言ってくれる。
そして、授乳期を終え、離乳食に突入したとき、母は違和感を覚えた。
私には三人の姉と兄がいる。
つまり母はすでに三人を育てていた。だからこそ感じる、違和感。
他の兄弟たちはよく食べたが、私はあまり食べなかったらしい。
今思えばすでにこの頃から私と、ほかの子との違いはあったのだろう。
幼稚園に入園した。
もちろん、幼稚園では遊びやお絵かきや絵本の読み聞かせなど、いっぱいある。
そしてなにより、遊ぶときはいいが、お絵かきや絵本の読み聞かせでは大人しく座っていないといけない。
けれど、私にはそれが出来なかった。
座っていても大人しくできない。体が勝手に動いてしまう。というより動きたくて堪らなかった。
みんなが静かにしていても立ち上がってしまう。
だからよく先生に怒られた。幼くてもそれはしっかりと覚えている。
休日には家族でショッピングモールや大きな公園に遊びに行ったりした。
ここでは逆にあまり動いたりはしなかった。
理由は、いやだったから。
ショッピングモールでは、当たり前だが人がいっぱいいる。
そして私には誰がどんなことを話しているのかが全部聞こえていた。それが原因で出かけても気持ち悪くなってしまったり。
公園では、周りの目が気になった。子供だから公園で遊んでも違和感なんかない。それでも、私は気になってしまい遊べなかった。
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