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ベルとインヴァネスはギルドで育ったらしく、実家のようなものだと言っていた
五分程歩くと巨大な建物が見えてきた
世界三大ギルドの1つである〈神王の矛〉だ
正面にある巨大な扉は開け放たれていて、多くの人が行き交っている
扉を潜り、ギルド内に入る
内部は酒場のような作りになっていた
そしてその奥に五ヵ所カウンターがあり、女性が座って作業をしている
インヴァネス達は迷うことなく一番右端のカウンターへと向かって行った
カウンターで書類をまとめていた女性はインヴァネス達に気づくと笑顔で手を振ってきた
「ヴァース、ベル、お帰りなさい。珍しいわね友達まで連れて来るなんて。…あれ?そんな白髪の男の子あなた達の友達にいたかしら?」
その女性は一番後ろに立っていたゼロに気が付くと首を傾けた
こんな目立つ容姿の者を見たことがあるなら、忘れる訳がない
今、このギルド内でも注目されている彼はどんなに頑張っても人の多い所で周りの視線を避けることなど出来ないだろう
彼女は、そんなゼロのことを見たこと無いことが不思議だったのだ
ヴァースは初対面の人とスムーズに話すことが出来ない
そんな人と二人きりになると無口になり、口数が極端に減る
そう、ヴァースは人見知りなのだ
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