101人が本棚に入れています
本棚に追加
階段は長く、最上階までの一本道だった
他の階に行くための階段はきっと違う場所にあるのだろう
階段の入り口の前の廊下に並んでいたドアのどれかがそうだろう
階段の終わりに着くと大きな両開きの扉が佇んでいた
複雑な装飾の施された巨大な矛が3つ交わる様な紋章が描かれている
その扉にインヴァネスは何かカードのような物を翳した
すると一瞬扉が輝いたかと思うと低い音を立てながら少しづつ開いていく
完全に開き切った扉の中は10メートルほどの廊下が続いていた
左右の壁にはシンプルな装飾のドアが一つずつあるだけで、あとは廊下の最奥に一つ見えるだけであった
たった3つの扉しかないこの階の廊下は、薄暗く張りつめた空気が漂っていた
殺気が最奥にある扉の中から少し漏れ出している
インヴァネス達は気づいていないのか、もしくは気にしていないのか、表情を変えずに扉に向かって歩いて行く
俺は静かにabilityを展開していく
いつでも発動出来るように準備が完了するのと同時に扉の前に到着した
中から溢れ出す殺気は少量ではあるが鋭く強いものだ
かなりの実力者であることは一目瞭然だ
密かにゼロが舌舐めずりをすると同時に、インヴァネスがノックをし扉を開けた
.
最初のコメントを投稿しよう!