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インヴァネスが扉を開けると同時に、中から紫色の巨大な雷蛇が此方へと襲いかかってきた
咄嗟にゼロはサイコキネシスを発動させ雷蛇を押さえ込む
そして展開させていた ability・テレポート で部屋の中にいる人間の背後に回り込んだ
首を掴もうと物凄い速さで伸ばされたゼロの手を、その人物は横から弾き返した
弾き返すのと同時に此方を振り向いた相手とゼロは瞳を合わせる
相手は二十代後半程に見える男であった
浅黒い肌に赤銅色の短髪、少し紫がかった黄色の瞳をしていた
しかし、人の耳がある筈の場所には髪と同じ色の獣の耳が存在していた
獣の特徴を体の一部に持つ亜人種である獣人族
その種族に属する彼は無表情にゼロを見ている
ゼロも表情の抜け落ちた顔で視線を返している
微動だにしない二人の間には張りつめた空気が漂っていた
まさに一触即発
インヴァネス達はこの状況に驚いたのか固まっている
誰かの息を呑む音が聞こえると同時に二人は動き出した
ゼロがサイコキネシスで相手を潰そうとすると、男は大きく横に飛び退き素早く方向転換するとゼロに襲いかかってきた
手には鋭く長い爪があり、それは薄く電気を帯びていた
ついそれを手で受け止めてしまったゼロは眉を寄せて後ろに跳んで距離をとった
だがその動作はどこかぎこちなかった
実は男の手は約一万ボルトの電気を帯びていたのだ
それを真面に受け止めたゼロは感電してしまい、体の一部が麻痺してしまっていた
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