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生身で受け止めてそれだけで済むゼロも流石だが、ゼロに攻撃を当てた男も凄い
ゼロは多くの武術を習得している
修練は毎日欠かさずやっている
それを300年以上も繰り返している彼は全てにおいて達人の域に達している
そんなゼロが避けられない速さで攻撃を仕掛ける事が出来るということは、男がかなりの強者であることの証明であった
先程の決闘とは違う、本物の強者を目の前にしてゼロは笑みを浮かべた
凶悪で獰猛な獲物を狙う獅子の様な鋭い光を瞳に灯しながら、舌舐めずりをしている
いきなり雰囲気の変わったゼロに何かを感じ取ったのか、男は少し眉を寄せた
前傾姿勢になりながら全身を帯電させていく
ゼロもそれに答えるようにabilityを更に2つ発動させた
ability・獣化
ability・筋力強化
足と腕が獣の様な形に変化していき、頭から大型の猫科の動物に似た耳が生えてきた
白の体毛が腕と足を覆うと、爪が鋭く伸びて行く
そして筋力強化の影響で床がミシミシと音を立てている
本気をだそうとしている二人に、今まで呆然と見ていたインヴァネス達が覚醒した
慌てて二人の間に入り戦闘を辞めさせる
「ゼロ、親父、やめろ!何をしているんだ!ここを壊す気か!?」
インヴァネスの言葉にゼロは渋々といった感じで引き下がる
そして親父と呼ばれた男は頭をがしがしと掻きながら戦闘態勢を解いた
戦闘時の無表情とは違い明るい笑顔を浮かべてインヴァネス達の方を見る彼
柔らかな彼の表情に、ゼロは同一人物かをつい疑ってしまった
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