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ゼロはイルの顔をじっと見つめている
イルはそれを不思議そうに見返す
そんな二人の姿にインヴァネス達は首を傾げている
客観的に見てみると視線で会話しているように見えなくもない
長い時間視線を合わせていた二人だったが、ゼロがおもむろに口を開いた
「使い魔が、働く事は可能か?このギルドと言うところで働いてみたいのだが。」
その一言にイルは驚いたように瞬きを繰り返す
そして眉を寄せると、何かを考えるように目を閉じた
「前例が無いから分からないが、もしここで働くって言うなら魔力が無いと登録も出来ないんだ。魔力を持っていない者など聞いた事もないが、ゼロからは全く魔力を感じないんだよな。…魔力、持っていないのか?」
イルの言葉にゼロは首を捻って唸っている
魔力、と言うものがまだよくわかっていないようで、自分の体内にそれが存在しているのかも分からないのだろう
だが、この世界とは別の世界からきた自身が魔力を有しているとは考え辛い
「…魔力、と言うものがまだ余り感じられないためよく分からないが、多分持っていないと思う。それに違う世界から来た俺が持っているとは到底思えない。」
無いものと考えた方がいいだろう、と続けたゼロは難しい顔をしながら黙り込んでしまった
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