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「でも、そのabilityって応用したら空を飛ぶことなどもできますよね?水を浮かべて色々な形を作ったりして、人を楽しませることもできそうですし…
私は、とても素敵な力だと思いますよ。」
そう優しく告げたのはエルフの少女ミリーナだった
彼女の言葉にゼロは驚いたように顔を上げた
今まで戦闘しかしてきたことのないゼロには思い浮かばないような発想に驚いたのだ
確かに人を楽しませる仕事をしている能力者が居るとは聞いたことがあるが、どのようにして楽しませているのかなど考えたこともなかった
自分には無縁だと思っていたからだ
そして、戦いの中で生きる自分には必要の無いものだとも思っていた
そんなゼロにはabilityが素晴らしいものだとは到底思えなかった
恐ろしい力だとしか周りは教えてくれなかった
ミリーナはゼロに力の新しい使い方を教えてくれた
ミリーナに同調するようにエスタやベルも頷く
「確かにそうだな。要は使い方の問題だろ。さっきの焔で作った動物もこの能力だったのか?」
インヴァネスもミリーナの言葉に納得した様子で頷くとゼロに質問をした
そんな彼等の様子にゼロは驚いていた
自分の世界では恐れられることが当たり前だっただけに、どう反応したらいいのかが分からなかった
だからなのか、ゼロは困惑した様子でインヴァネスのことを見つめている
そんなゼロの幼い表情にインヴァネスは疑問に思った
彼はいったいどんな生き方をしてきたのだろう、と
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