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着いたのは広い闘技場のような場所だった
そこには人が居らず、周りへの被害を考える必要はなさそうだった
イルが10m程離れた位置に立つとルールを説明し始めた
「基本的になんでもありだが、相手が降参または気絶したら試合終了だ。至極簡単でわかりやすいだろ?」
その言葉にゼロが頷くとイルが戦闘態勢にはいった
ゼロもabilityを起動しつつ、低く構える
ピンと張った糸のような緊張感がその場全体支配していく
お互いを見つめたまま動かない二人
見ている者でさえ指先ですら動かすのを躊躇うようなそんな空気
永遠にも続きそうなそん時間は不意に破られた
時間を知らせる鐘の音を合図に二人は動き出す
瞬間的に全身を帯電させたイルは手を獣のそれに変えゼロへと襲いかかった
一瞬で距離を詰めてきたイルにゼロは爆風を正面から浴びせた
その中には小さな氷の刃が何千何万と含まれている
それに気づいたイルは顔を顰めると大きく後ろへと飛び退った
そんなイルに追い討ちをかけるようにゼロはabilityを多重起動した
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