ギルド

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abilityの獣化と筋力強化を展開し更にシールドを空中に幾つも展開することによって見えない足場を作った もの凄いスピードで空中を音なく駆け回るゼロに離れて見ていたヴァース達は現実逃避をするように遠くを見つめ始めていた それに比べ、イルは楽しそうに舌なめずりをして目を閉じた 嗅覚と聴覚、気配を読むことに集中し始め、体制を段々と低くしていく そのイルの様子を見ていたゼロはあえて真正面から突っ込んでいった 自分と同じように相手が戦いを楽しんでいることになんとも言えない喜びを覚えたからだ 普通いつもの戦闘であれば真正面から突っ込むなどという愚行は起こさない 気が付かれないよう影から相手を確実に仕留める そう、久々の手合わせということにゼロは興奮していたのだ そして、真正面からでもイルをねじ伏せたいという欲が出てきていたのだ 元々強い者をねじ伏せ、屈服させることが大好きなゼロは久々の高揚感に酔っていた その為なのかわからないがゼロはイルが不敵にほくそ笑んでいたことに気がつかなかった
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