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玄「踏むとヤバイのは分かったし、それを村の奴らが仕掛けた罠かもしれないってのはなんとなく。
だったら、作動させない方がいいんじゃね?
俺達は追われてて、逃げなくちゃいけないんだしさ?」
慧「玄把のくせにまともなこと言ってる…」
玄「俺だって考えて生きてるんだけども…」
慧「あっそ。……そういえば、なに考えてたんだっけ?」
玄「何とは?何の事?あっ!ストップ!」
慧「うるさいよ。次はなに?」
玄(蛇蛇蛇蛇!色、ヤバイ!)
黒とオレンジの警告色…
たいした大きさはないが、如何にも猛毒有りな体色と厳つい頭に、チラチロと出す黒い舌…
蛇は木の上から垂れ下がるようにして、慧の肩へと降りてきた。
蛇の縄張りだろうか?
だとしたら、攻撃してくるんじゃ?
慧「 」
右肩に降りた蛇は、首の後ろを通って左肩へ…
そして、服の隙間に頭を潜らせる…
慧は硬直したのか、身体をピクリとも動かさない。
俺はどうすれば?
既に身体の半分程が服の中に入っていて、手が出せないし…
考えてる間もするすると入っていってて、慧の後ろに立ち尽くす俺には尻尾が見えなくなった。
良く見ると、慧の身体が震えてるような…?
怖くて当たり前。でも、下手に助けを出せない。
だって俺も怖い。咬まれでもして、慧が苦しむのは見たくない。見たい気もする。
内心、冷静に分析してるつもりでも、身体の上半身だけあたふた…
なんて言うか、目の前の凌辱的な光景にゾクリと来るものを覚えたりもしたりなんかしちゃって…
場違い思考の乱れた視界に伸びてくる慧の左手がある。
考えるよりも先に、なんて、客観的に 俺は右手でその左手を掴んだ
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