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「なあ、慧」
「・・・」
「なあって」
「なァに?」
「もうなんかさ、お前だけだよ。俺に良く?普通に仲良くしてくれてんの。」
「ハイハイ」
「でもさ、最近思うんだよ! 俺は誰にも好かれちゃいけないんじゃないかって。」
「はァ、一応、どーして?」
「何でか知らないけど、皆が幸せになればイイナーって思った訳だ。分かる?」
「分からん。アホなん?」
「で、つまり、恨み辛みとか全部、俺に集まれば一件落着の万々歳で、winwinだよなーって。」
「何がどうなれば、つまりなのか理解出来ないし、そんな損なもん引き受けたくないわ。」
「だよなあ?でも、悪くない気がするんだよな。」
「え、孤独のドMとか、ただの変態じゃん。」
「でも、俺1人の犠牲で残りの人類は幸せになれるんだぞ?」
「それ言って、お前自身は幸せになれないし、空しくならないのか?」
「いや、一度でいいからいいなぁーって。」
「歴史の偉人も真っ青の自己犠牲だな。頭、オカシイ」
「だよな、自分でも思う。コンビニ寄ってこうぜ。」
「えぇ…じゃあ、グミ奢って」
「オォケィ 相談料な。」
何処からかの帰り道、腐れ縁の二人組。
親友と呼んでいいものか?「慧」と、この話の主人公にあたる、初紹介の「玄把」女性的な名前であるが、男。
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