《第1章・オネエ協定?》

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優香はアパート内に響きわたる隣からの音が何か確かめようと近づいていたが、舞が彼女の動きに気づき窓辺から首を振った。 『隣に近づかないで!早くここから離れて帰るのよ!優香お願いっ!』 『舞が帰るならっ』 イケイケ女はアパートから離れた場所で電話していたが、舞がさぼっていると思い大声で注意した。 『長谷川さんっ今日中に荷物入れなきゃなんないんだから掃除さぼらないでよ!』 『ちょっとっ!あなたの身内の引っ越しでしょっ! 舞に聞くと朝から何だかんだ理由つけて掃除してないって!?』 『電話がかかってきてるから仕方ないじゃなーい。 っていうかあんたの彼ってまぁまぁイケメンよねぇ、寝ても良いかしら~アハハハハ~』 『!!、孝典はっ』 その時隣から物音がし舞は耳をふさいだ、優香・イケイケ女の話し声に反応し隣からの壁を叩く音が小刻みで更に大きくなっていく。『優香お願い帰って!お願い!』 その時隣の窓が開き舞に向かって隣人は罵声を浴びせた。 『やっぱりあんたか!また騒音出したらあんたをヤルって言うたがなっ! まさかまたここに住むんかいな!?』 舞は耳をふさぎ震えを我慢するように唇を噛んだ。 “お願い、あの隣人を刺激しないようお喋りをやめて!” “優香お願い!危ない目に遇わせたくないの” “室内掃除イケイケ女がするべきなのになんであたしがっ、ここに来たくはなかった!” 舞は優香らに向こうの道路側を左手で示しうなずくと、優香はすまなそうにそちらに向かった。 イケイケ女は見えそうで見えない膝上15センチスカート・体にフィットした服を着て、長いロングヘアーを耳にかけながら停めた車へと。 舞は窓を閉め鍵をかけ玄関に鍵をかけようと向かうが、ノブは自然と回りカチャリとドアが開いてまだニートらしい隣人が立っていた。 嫌ぁぁぁっ! 声にならない恐怖感から体に寒気がはしった。 河田さんあたしに勇気を下さいっ! 声が聞きたいのっ! その頃河田は体育会系の女の先輩につき合ってアイカツのサイン会の会場にいた。 マナーモードにした携帯が鳴り彼は相手を確め周りが一瞬彼と携帯を見て。『誰?』 『友達後でかけなおします』 体育会系先輩が夢中になるサイン会のトークでは司会者が聞き返している。 『舞?このシーンにはモデルが?』 『偶然よ偶然』 舞?確か長谷川さんもそんな名前だった気が? 河田は鳴る着信画面「長谷川」電源を落とし。
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