《第1章・オネエ協定?》

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孝典はこう言いながら舞→優香→相川の順に視線を向ける。 『今から?無理…ちょっ…勝手に切るなっ』 『誰?』 『同じ課の同期…今日じゃないと都合悪いって』 『孝典催促してたもんね』『こっちにだって都合がある…待ってかけなおすから』 孝典と優香はそんな会話をしながら舞と相川を見る。『舞ちゃん大丈夫、送っていくから』 『孝典くんあたし相川さんの車に乗るから…大丈夫…電話の方を優先させてあげて』 … …… 5分後孝典の車を追うように相川の車が走ってく。 チラチラと後ろを振り返る優香が舞を気にしている。『彼女達良い友達ね』 『ん…』 20分走ると孝典の車は左折し優香が振り向いて手を振っていた。 『優香…孝典くん…』 車が見えなくなると彼女の目から涙が落ち、あわててハンカチを目元にあてる。 『舞泣いて良い…』 口を噛みしめる彼女は首を左右に振りそんな姿が、相川にとって隣人ニートへの憎しみを倍増させた。 弱々しい長谷川舞は本来の彼女ではないと感じるから。 相川はハンドルを握る手に力を込めた。 彼女を抱きしめたい… ショックな出来事を拭いさってやりたくて…
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