《第1章・オネエ協定?》

24/32
前へ
/32ページ
次へ
居酒屋を出ると河田は舞に耳打ちし、彼はチラリと相川を見ていた。 『次何処にします? あいつら仕事終わったら来るんで駅に近い方が。 ねっ長谷川さんそれまでつき合ってよ』 『あたし…』 【2時間休まない?】 それってバレンタイン前のリベンジ? お泊まりじゃなく何故2時間限定なの? あたしの後で髪の長い彼女と? 『長谷川さんっ!』 ぐいっと河田に腕を引っ張られ舞はハッとした。 『んー…わかんなくて』 『はぁ?意味わかんなくないでしょ…あっメール…オッケーオッケー…。 ラーメン食べたらお開きって事で良いんじゃない。 もちろんこの人のおごり』 河田は舞を誘っていたかと思えばメールの返事にニヤリとし、舞をそれ以上誘う事はなかった。 ただ肩を抱き相川に相談もなく好みのラーメン店に入っていく河田。 小説家らしく彼は河田の態度が2転3転する事に首を傾げる。 店内はサラリーマン・OLや家族連れ・友達でテーブル事に会話がはずむ。 醤油ラーメン・餃子・チャーハンの匂いが嗅覚を刺激する。 オーダー後男2人は食べ終わり舞を待つのみとなる。『ゆっくりで良いわ』 『相川さん…』 河田はメールの返信に夢中らしく相川・舞を気にしてはいなかった。 相川が3人分の会計を済ませ店を出ると河田は電話中らしくケラケラと笑う。 『えっ良いよ、こっちは問題ないからあの店で集まろ』 電話の会話を聞いていた舞は相川に気づき、やるせなく哀しそうに笑った。 『じゃお先ぃ、用が出来たんで』 河田は逃げるように手をあげ走って繁華街に消えていく。 『あの男…舞、まだ河田と居たいなら追いかけてあげるわ』 走ってく彼を見ながら言う相川。 『河田さんが掴めなくて…あたし今日は…無理』 舞は肩をすくめる。 『舞…帰ろっか?』 『うん…』 『ごめんね…』 『何が?相川さん謝んなくて良いの…』 『ううん…ごめんね… プリン買ってあげるから…』 一緒に食べよう… オネエ協定どうりお互いの部屋どちらでも… ミルフィーユ上乗せしてあげる… ごめんね舞… あなたをかえりみない河田を見て胸がいたんだわよね? 髪を撫でてあげたくて… 舞…
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加