《第1章・オネエ協定?》

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その日を境に河田から舞へ業務連絡っぽいこの間のようなメールが届く。 河田に対して気持ちわからない…ーーと相川に打ち明けたとうり、 彼のメールに対し以前よりも嬉しそうな顔をしなくなっていた。 【優香さんも誘ってねっ】 『あたし孝典だけなんだし』 『うん、優香には孝典くんがいるって事をちゃんと伝えるわ。 2度目から参加しない事も』 舞は優香から携帯を受け取り河田のメール画面に簡単にそう返信する。 【えぇーっ!つまんなくないっすか!?来てよ優香さんも!河田】 河田さんって人がわからない… 女なら彼がいても良いってわけ?… 『舞?メール…もう良いよ、河田さん引き下がらないならこの間みたいに早く帰るから』 『だって!孝典くんが…』『あたしが河田さんのペースに乗らなきゃ良いはなしでしょ』 優香は定食のトレーに手をかけ席を立つのを見て、舞もお弁当を持ちその場を後にした。 相川の部屋。 『克哉この内容やり直し、おもしろくない』 『おもしろくない?』 聡は紙面を閉じテーブルに置き相川を見た。 『なんで身を引いてしまう内容なわけ? 彼女には彼がいて脇役だった主人公は気持ちを我慢してたんだから、 せっかくキスしてるのに何を今更彼女の元彼を気にする? 葛藤…葛藤…でつまらない』 『つまらない?』 『そう、つまらない。 リアルは長谷川さんと進展あったんでしょ』 スッと立ちファイルのある棚から聡は鍵を手にヒラヒラ振った。 『302号、隣の…合鍵』 『いつ気がついて…ー』 『昨日、つき合い順調? 長谷川さんが素直に合鍵を作って渡すなんて…』 『素直なんかじゃ…』 『克哉が彼女の鍵を奪って自分で作ったなんて話?』『違うっ…それはオネエ協定どうり…彼女は渋々』 『オネエ協定?』
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