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河田の携帯が鳴り始め舞の体を離し話し始めたようだ。
『集まってる?…やっべっ、俺が来いってメールしたんだっけ。
今?…大丈夫、釜飯処にいるから10分で行く…焼肉セット2人分オーダーしといて…んじゃ後で』
彼は何くわぬ顔で舞の手を掴んだ。
『何処へ?』
『聞いてなかった?2次会だよ、焼き肉。
長谷川さんも行くだろ?』
『でも…相川さんをおいて?…』
ついて来ている事を見ていたからだ。
『俺らが店に向かえば適当に帰るでしょ、大人なんだし』
河田はそう言うと彼女の手を引いて駆け出した。
相川を振り返る舞。
相川はやるせない表情で立ちつくす。
『舞が河田への気持ちはっきりさせるまでは…』
焼肉ドンドンではサラリーマンの他にOLもいて、
ジュウジュウという特有の香ばしい匂いにジョッキもすすむ。
2テーブルを忙しなく行き来する河田。
隅で遠慮がちに座っている舞は3~4切食べて箸を置いた。
『えぇと徹の…』
テーブルの中の1人が舞に向けて言う。
『河田さんのかの…』
舞が言い終わらない内に誰かの言葉がさえぎった。
『優香さんだっけ?』
えっ?
それってどういう意味…
『髪があごまでの…あれ?』
明らかに違う容姿に舞は名前を名乗る事すら諦めた。
『長谷川さんは友達じゃん、セフレにならないセフレ』
えっ?
セフレにならないセフレ?どういう意味…
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