《第1章・オネエ協定?》

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河田の携帯が鳴り始め舞の体を離し話し始めたようだ。 『集まってる?…やっべっ、俺が来いってメールしたんだっけ。 今?…大丈夫、釜飯処にいるから10分で行く…焼肉セット2人分オーダーしといて…んじゃ後で』 彼は何くわぬ顔で舞の手を掴んだ。 『何処へ?』 『聞いてなかった?2次会だよ、焼き肉。 長谷川さんも行くだろ?』 『でも…相川さんをおいて?…』 ついて来ている事を見ていたからだ。 『俺らが店に向かえば適当に帰るでしょ、大人なんだし』 河田はそう言うと彼女の手を引いて駆け出した。 相川を振り返る舞。 相川はやるせない表情で立ちつくす。 『舞が河田への気持ちはっきりさせるまでは…』 焼肉ドンドンではサラリーマンの他にOLもいて、 ジュウジュウという特有の香ばしい匂いにジョッキもすすむ。 2テーブルを忙しなく行き来する河田。 隅で遠慮がちに座っている舞は3~4切食べて箸を置いた。 『えぇと徹の…』 テーブルの中の1人が舞に向けて言う。 『河田さんのかの…』 舞が言い終わらない内に誰かの言葉がさえぎった。 『優香さんだっけ?』 えっ? それってどういう意味… 『髪があごまでの…あれ?』 明らかに違う容姿に舞は名前を名乗る事すら諦めた。 『長谷川さんは友達じゃん、セフレにならないセフレ』 えっ? セフレにならないセフレ?どういう意味…
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