《第1章・オネエ協定?》

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涙が頬を伝い舞は唇を噛みしめトイレの個室で声を殺し泣いた。 … 『電話終わった?焼き肉もうほとんど残ってないけど追加注文するけど?』 席に戻ってきた舞に河田が言う。 『ううん…いい…』 座ろうとした彼女を見て、それならばと皆席を立つ。 … …… 肩を抱かれ歩く方向はいけない建物が見え。 恋人同士であれば自然の成り行きで甘いムードでささやきながら、ってとこだろう。 だが舞はグッと涙をこらえてアスファルトを眺め、隣の河田をシャットアウトするかのように無表情だった。 建物内、1階。 『高いのしか残ってない、長谷川さん半額分出せる?』 無言を了解ととったのか彼はボタンを押し廊下を進む。 室内に入ると河田は当たり前のように舞をバスルームに促し、彼女の服に手をかけた。 『優香さんさぁ俺の事嫌ってる?いまどき彼氏いてもセフレくらいいるでしょ。彼女に俺をアピールしといてよ』 『………』 『優香さんに1人の彼氏だけじゃつまらないって言っておいて』 『………』 舞の下着に手をかけようとした河田。 嬉しさもなく嫌悪感が彼の手を払いのけさせた。 服を脱がせながら親友へのアピールだなんて最っ低っ! この人を好き? わからない! 河田さんの曖昧な態度が気持ちをわからなくさせたの! 『帰りますっ!』 床に落とされた服をかき集めながら舞は言った。 『はぁぁ?』 河田の表情が変わった。 『高い部屋の料金どうすんだよっ!?長谷川さんも使えねぇなぁ!』 相川さん… 隣人ニートの件以来苦しい状況下になると舞は相川の事が浮かんだ。 相川さん相川さん…
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