《第1章・オネエ協定?》

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相川の舌が舞の首筋を下から上に這い上がるように舐めて、彼の肩までの髪の毛が彼女の肩から鎖骨辺りに当たる。 『ひゃっ…くすぐった…い…』 舌に代わり唇の感触が首筋に触れソフトタッチ的なキスをされるが、舞は相川の髪に両手を入れくしゃくしゃにした。 『止めてっ!相川さんなんか相川さんなんか…大嫌いっ!』 『舞の為に跡を付けずにキスをしたのに?だけど、ごめん…舞には河田がいたんだったわね』 『相川さん…』 大嫌い!と言いはしたけどあたしの言葉に一喜一憂するなんて… 『そんな哀しそうな顔をしないで…まるであたしが相川さんをいじめてるみたいじゃない…』 眉毛は漢字の八の字に下がり目は伏し目がち、唇はキュッと噛みしめた相川を見て舞はそう言っていた。 少し前ならキャンキャン怒鳴るところだが、A美や河田とのシーンで慰められているからか100パーセント《大嫌い!》ではないような気がして。 だけど… 『キス禁止』 『えっ?』 『大嫌いから嫌いに変えてあげるわ、だけどキス禁止だから。 オネエ協定の項目に加えるわ』 『舞~…』 『ひゃあぁぁ~…』 相川は舞の両脇に両腕を回し彼女を抱きしめた。 布団から離れる舞の背中、Bカップの胸は彼の胸板に押しつけられた。 『!!、………』 『【そんな哀しそうな顔をしないで】ってジィ~ンときたわ、優しい女ね』 『離し…て…』 『やっぱり聡よりか肩幅なくて華奢(きゃしゃ)で小さくて…だけど胸は気持ち良い感触で』 『あなたなんて最低のエロカツよ…抱きしめないで…』 『どうして?【哀しそうな顔しないで】最高に感動しているのに? あたしはお返しに態度で示しているだけよ。 それとも…この胸が感じてる?』 『ね…眠れなくなるからっ…お願い…あなたの香りで眠れなくなるから…ベッドから…あたしのウエストから降りてよぅ…』 『ん…今夜のところは帰ってあげる』 相川は再び落ちた本を拾い舞の手に握らせ笑った。 『フッ…唇には触れていないでしょ…かわいい舞ちゃん、おやすみ』 ドアが開けられ閉まる音がして、ゆっくりとベッドからおりて玄関の鍵をかけ。胸がドキドキしてる…もうキスなんかさせない… アサヒコーポレーションのとある昼休み、隣の課のイケイケ女がやってきてテーブルに手をついた。 『ねぇ引っ越し手伝ってくれない?』 舞は断りはしたが強引イケイケで押しきられ。 波乱が待ち受けている?
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