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(もうダメかもしれないな)
ふと、
そう思った。
それは、
きっと仕方のないことなのだと。
ずっと、
死ぬことが怖かった。
でも、
こうして極限まで体力を奪われると、
人は恐怖をあまり感じないらしい。
ただ、
心残りはある。
夫と息子。
私を育ててくれた両親。
私の大切な家族。
特に息子はまだ2歳。
母親を失うには幼すぎる。
私がいなくなったあとの家族を思うと、
心が痛んだ。
もし、
家族が幸せに暮らしているとわかれば、
安心して死ねるのに。
例えば、
私が死んでから5年後の世界で、
皆が元気に暮らしている姿を見れたらいいのに。
「いいよ~」
とうとう、
幻聴と幻覚が現れた。
モルヒネの副作用かな。
それでもいいと思った。
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