第1章

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「レン、 これ透明人間じゃなくて……幽体離脱、 だよ」  レンが慌てて首を振る。 「ちがうちがう。 レンじゃなくてリンだお。 それじゃあ、 行くよ~」 「行く?」  レン、 ではなく、 リンが難しそうな顔をして、 こっくりと頷いた。 「とりっぷだお。 ほら、 んと、 言ってたでしょ? 家族どうしてるかな~って」 「え? ああ、 5年後のレンとパパたちがどうしてるかなって?」 「そう。 連れて行ってあげるお。 でも、 着いたらリンはいないからね。 いい?」  文字通り目を丸くする私に、 「ハイは?」とリンが要求する。  何がなんだかわからないまま、 私は「はい」と応えた。
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