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普段は体を動かすのが大好きな奴だし、部活をサボるような性格ではない。
じっと見ながら考えていると。
「確か草間くんだったっけ。具合悪そうだけど大丈夫?」
いきなり彼女から話しかけられ座りながらも思わず姿勢を正す。
そんなに具合悪そうなのかな?
しかも、なぜ名前を知ってるんだろう。
「…1年の時は同じクラスだったの覚えてないかな。それに顔白くて汗かいてるし、具合めちゃくちゃ悪そうに座りこんでるんだもん」
全てお見通しみたいな言葉に驚いて彼女を見る。
しかも去年同じクラスだったなんて失礼ながら覚えてもいなかった。
「ご…ごめん。」
「草間くんて周りと違う空気があるから話しかけにくいけど。不思議な雰囲気があって、結構周りも気にしてたの知らないでしょ?話すの初めてだけど…思ったより顔に出るんだねー」
かわいいと笑う彼女が小さな手で座っている僕の頭を撫でる。
次々言われる言葉と行動に混乱して固まった。
何が何だって?
「そこ!逃げるな!特別に今日は帰っていいから草間くんのこと見てあげなよ」
静かに去ろうとしていた宇佐木をしっかり見ていたらしいのだけど、急に帰っていいと言う彼女。
「心臓に悪いからもう少し優しく言ってくれよー。悪い、ありがとな。」
一瞬ひゃあと肩をすくめた宇佐木が冗談ぽく返した。
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