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何なんだ一体…
2人だけで理解し合って、なんだか仲良いなオイ。
ムスっと唇を尖らすような顔にもなるってものだ。
「あはは!あのね、草間くんが宇佐木の弟に似てるんだって。ほっとけない気持ちがよく解ったよ。先生には適当に言っとくから、明日から頑張ってよ宇佐木。じゃあね」
またも頭を撫でられた。
「私の名前、剛力かずみ。ゴウリキ、だから覚えてね」
つ…強そうな名前だね…と呟きそうな口を必死につぐみ、頷いた。
彼女はクスリと唇を上げて手を振り、ポニーテールを揺らしながら颯爽と階段をかけ降りて行った。
矢継ぎ早に言われて会話について行けなかったけど、格好いい女の子という印象が残る。
名前を忘れようと思っても忘れられないくらい強烈な子だった。
「んじゃお許し出たから帰ろう。今日の飯なんだろうな~」
「お前いつも飯の話だな…ところで弟って年近いの?」
呆れつつ。
よいしょっと手すりを掴んで立ち上がりながら、初めて弟の事をたずねてみた。
「やんちゃで困るけど可愛いんだよ。今年小学校に入ってさ」
兄の顔になった宇佐木が嬉しそうに話し出した。
年の差兄弟に、お前んちの両親凄いなとか。
7歳児に似てるとか、色々ごちゃごちゃになりつつ…
………
なんで高校生が小学1年生に似てるんだよ!
とりあえず叫んだ。
「お前らー!」
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