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ふと止まる視線を追った時、懐かしい記憶が浮かんだ。
昼休み、草間と言い合いながら食堂へ向かっていた。こいつは相変わらずよく解らなくて面白い。
大人っぽい表情や言動をしたかと思えば、子供のような姿を時折見せる。
まだお互い高校生なので子供らしさが出るのは当たり前なのだが…
「不思議」なのだ。
両極端なアンバランスさと「不思議」さに興味をひかれるのかもしれない。
何を考えてるのかお互いさっぱり解らないといった感覚なのに居心地は悪くない。
難しいことを考えるより動くのが好きな俺と、動くより考えるのが好きな草間。
ふと中庭で立ち止まる相手の視線を追うと、いつぞやの椿の木があった場所だ。
草間を「椿」と呼ぶきっかけでもあり、気付けば軽口を言い合う仲になったきっかけでもある。
初めて話したのは…
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