映画

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◆ オデッセイについて。 イトイさんのコラムを読む前から見たいと思っていたのですが、見たら、人の感想よりも、自分が感じたことについてを語りたくなりました。 火星にただひとり残されて、食料残数も迎えが来るまでの歳月も通信手段も絶望的な状況におかれたとき、彼はどうしただろう? ◆ かれは、絶望していなかったわけではないと思います。 自分は死んだも同然だと思っている自分が半分いるわけです。 もう半分は、それなら、やれるだけのことはやってみようと思ってやってみた。 ただ、4年先まで待てないと思っていたかもしれないですし、それがもっと先になってまで耐えられたかどうかはわかりません。 精神が病んでいたかも。 実際食料が尽きてきたころに医者に安定剤を飲むようにアドバイスされている。おかしくなってもちっとも変じゃない状況なんです。 闇の中にたったひとりで過ごす世界というのは、思ったよりも残酷で、その立場になってみなければ理解するのはむずかしいでしょう。 ひとり。それはとてつもない自由。とてつもない孤独。そして、絶望。その先にある、理性。自分を俯瞰から眺め、客観的に機能する。それをなんと呼べばいいのでしょう。諦観。 ◆ 最後に国内ではどうしようもなくて「助けてくれるよその国」という状況がたとえば、ジョディフォスターの映画にもありましたが、そのときは日本でした。いまでは中国です。こんな日はいつかくるとは思っていましたが、もう、すでに世界はそういう時代なのですね。 わたしたちは、成熟した国家としてふるまうことを期待されています。笑いものではなく。未熟な国ではなく。 幼稚さを捨て去り、理性で物事を解決する時代が到来しました。 われわれは、もう、金をばらまいたり、思いつきやその場しのぎの子どもっぽい態度でたいせつな事案を決断してはならないのです。熟慮し、脳味噌に汗をかくほどに必死になり、その果てに倒れようとも100年先、千年先を見据えた計を立て、未来を切り開かなければ。 そうでなくては、日本の子孫は繁栄をすることなく、地に堕ちて、後発へと甘んじることになるでしょう。 あのギリシアのように。 2016-02-22
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