過去

4/52
前へ
/138ページ
次へ
止まっていた時間が動き出すように、彼女が口を開こうとしたとき登校して来た生徒たちが教室に入ってきた。 彼女はそっと目をそらし、少し考えたあと、俺を見つめて 人差し指を鼻にかぶせ「ナイショ」とつぶやいた。 胸の奥が締め付けられるように、高鳴った。 「ナイショ」というフレーズに心が踊らされてる時点で焦りがあったのかもしれない。 それから、惹かれていくばかりで、話しかけるのすらままならない状態が続いていた。 でも、少しずつ近くに 確実に好きな気持ちを感じていた。 春休みに入る前日、俺は告白をした。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加