ショコラキス

2/9
前へ
/11ページ
次へ
高二の私の彼は十七歳年上の智一さん。 智一さんはお姉ちゃんの旦那さんの、 お兄さんだ。 出会いはもちろん、お姉ちゃんの結婚。 付き合うまではまあいろいろあったけど、 ……そのうち、ね。 「菜緒、いる?」 「智一さん!」 一週間ぶりに間島家に現れた智一さんに 嬉しくて抱きつきそうになったけど、 我慢我慢。 おばさんたち、見てるし。 ……ああ。 小六のときに両親を亡くしてから お姉ちゃんとふたり暮らしをしていた私は、 お姉ちゃんの結婚を機に、 旦那さんの実家である 間島家にお世話になっている。 間島のおじさんは 誰もが知ってる大企業の部長さんで、 ここに住むようになってから いろいろ戸惑うことは多かったけど、 最近はかなり慣れてきた。 「これおみやげ。 ……菜緒、部屋、行こうか」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加