2:私の傍に色難あり

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「…え?」 戸惑う私の目の前で、小遊鳥君はサッと手を伸ばし、スリもビックリな手際で私の持っていた鞄を取り、あっという間に私の鞄は自転車のかごの中へ。 「ちょっと!」 「あ。良かったら後ろに乗ってく?家まで送るからさ」 私の抗議の声も無視し、サドルの後ろの台を指差す。 「い、いいよ! こんなところを小遊鳥君のことを本気で好きな人達に見られたら勘違いされちゃう」 小遊鳥君は文武両道、イケメン、スタイル良し、と非の打ち所の無い完璧な人で、校内での人気はアイドル並みでファンクラブまであるほどだ。 「俺は勘違いされても構わないさ」 そう言って、じっと私を見つめてくる。 「そしたら、ミィを独り占めできる」 小遊鳥君は私のことをミィと呼ぶ。 ちなみに、私がそう呼ぶことを許した覚えはない。 「…何言って…」 「最近、ミィは生徒会会長の鹿島と一緒に居ることが多いじゃないか。 それにテニス部の犬井とも親しげだし…」 その言葉に、私は思わず頭を抑えた。
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