2:私の傍に色難あり

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私の周りにはなぜか男子がよく集まってくる。 …勘違いしないで欲しい。 これは全くもって自慢じゃない。 そのせいで思わぬ妬みや嫉みを買い、厄介事へと発展していくパターンが多く、小さい頃から色々と苦労してきた。 私は溜息を吐く。 「そういえばさ、授業中、何読んでたの?」 いつの間にか一緒に帰ることになっている小遊鳥君が訊いてくる。 「え?」 「古文の時、教科書に隠れて何か読んでただろ?何か手紙みたいの」 …よく見てるな。 そういえば小遊鳥君の席は私の席の斜め後ろで、見ようと思えば丸見えだ。 「ああ。兄さんからの手紙を読んでただけ」
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