第一章 『オカルトクソメガネ』

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返事をしない『クソメガネ』にしびれを切らし、 秋虎は相手の顔面をわし掴みにした。 そのわし掴みにされている『クソメガネ』こそ、 『民俗学調査サークル』リーダーである『内木 優(うちき ゆう)』本人だ。 秋虎とは高校以来の友人で、 やる気のない表情と青ブチメガネがトレードマークだ。 ちゃんとすれば、イケメンなのだろうが あちこちに暴れている寝癖や絶妙な角度でズレているメガネを見ると 『残念なイケメン』と言うイメージが定着してしまう。 「おはよー。 朝ごはん、まだ?」 今はもう昼だ、と普段の秋虎なら言うが今回ばかりは言う気になれなかった。
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